中学生から始めた競技アルペンスキー
スキー部に入ったが小学生の時から少年団に入っていた選手には全く歯が立たなかった。
僕の入部と同じ年に顧問の先生も入れ替わった。
立場は違えどスキー部1年生。
先生もスキーはほとんど素人で僕たちが練習している傍らで
一生懸命スキーの練習をしていたのを覚えてる。
怖い先生ではなかったが常に
「目標を持て!夢はかなう!頑張れ!!!」とよく言われた。
「かのゑ君目標は!?」との問いに
「全国大会出場!!!」と
とりあえず言っておいた。
同級生の中でも一番遅く経験が浅い僕はみんなに笑われた。
でも先生は「頑張れ!頑張れ!」と雪のないシーズンの陸上トレーニングの時も
言い続けてくれた。
さぼっても「頑張れ!」
腐っても「目標に向かって!」
と言い続けてくれた。
今考えるとちょっと洗脳のような気もする(笑)
3年生の最後のシーズン
全く県内で無名だった僕は県大会で全国大会の出場権を得ることが出来た。
これは本当に自分でもビックリした!
先生は自分の事のように喜んでくれた。
そして後輩たちに
「かのゑ君は毎日全国大会に出ると言いながらトレーニングしていた!」
「夢はかなう!みんなかのゑ先輩に続け!」とエールを送っていた。
学校の掲示板に
「かのゑ君!!!全国大会出場!!!」と恥ずかしいぐらいデカデカと掲げてくれた。
1年生の時、ボーゲンだった先生も
ポールを担ぎ、20kgのスノーセメントを背負って僕たちのトレーニングのサポートが
出来るまでになっていたのは今でも尊敬できる。
15歳の冬の出来事…
それから20年経った昨日
僕は栄村の小学生たちと千曲川を下っていた。
ただ流れているだけの川に子供の目を向けるのは
僕の仕事だと思っている。
静かな村の川に子供の歓声が響き渡る。
少ないがギャラリーもこっちに手を振ってくれる。
ゴール上部にある橋の上に最後のギャラリーが居た。
子供たちが気づく
「あっ!!!校長先生だ!!!」
みんなでパドルを振り
騒いで見せる。
ゴールに到着し
迎えに来た親御さんや校長先生に子供達が
自慢げに駆け寄って行った。
僕は飛び込んだんだよ!
僕は泳いだんだよ!
水の掛け合い楽しかったよ!
僕はこの光景が大好きなんだなぁ
今までやったことのない事が出来、それを自慢げに話す子供たちの姿
僕はボートを岸に上げ
親御さんや校長先生にあいさつに向かった。
その時、
「やぁ!かのゑ君!頑張ってるね!」
白髪が増えたけどあの声だ!!!
20年前のスキー部の顧問の先生だった。
「色々噂は聞いてるよ。今日は本当にありがとう」
僕は20年前のもう忘れかけていた光景が一瞬にしてフラッシュバックした
すげー胸が熱くなった。
子供たちのように
無邪気に先生に駆け寄り自慢げに話がしたかった。
子供たちが羨ましかった。
勝手に涙が出てきた。
最後の全体で挨拶の時に
「今日みんながお世話になったかのゑ君は僕の教え子です。
みんな、楽しかったでしょうか!?」
でわなく
みんな、楽しかっただろ!!!」
と言ってくれた。
なんか、何とも言えない感覚になった。
「かのゑ君、まだまだ頑張れ!応援してるぞ!!!」
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忘れかけていたけど
先生の言葉が多分ずーっと頭の中に居たんだと思う。
「頑張れ」
「あきらめるな」
今はあんまり言ってはいけない言葉になりつつあります。
しかし「頑張れ!」と言ってくれた先生は
ずーっと応援してくれて自分もスキーを上手くなるように努力して
僕の成績を自分の事のように喜んでくれた。
20年振りに再開しても実はずーっと僕の活動を知っていて
陰ながら応援してくれて今回の川旅も実現した。
もう感謝って言葉ではまとまりません。
なんか長い時間を経て感じる感動・興奮
それを今回はじめて体験しました。
先生ありがとうございます。
かのゑはまだまだ頑張ります!!!